NISA口座を始めて開設する人は、以上のように悩んでいるのではないでしょうか?
少額投資非課税制度であるNISAは、1年間に120万円まで、5年間で合計600万円投資した分まで利益が非課税になる制度です。
投資を行う上で非常に便利な制度ですが、NISA口座は一人1口座までと決められています。
この記事ではNISA口座を複数開設できない理由と複数申し込んでしまった時の対処法、さらに別の金融機関への口座変更手続きの流れを解説します。
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NISA口座は複数開設できない
NISA口座は一人1口座までしか開設できません。
複数の金融機関にNISA口座を申し込みしたとしても、適用されるのは最初に処理された口座のみです。
NISAの申し込みは、税務署が非課税適用確認書の申請を受け付けた順になります。
NISA口座が1つ開設された後はNISA口座が開設できなかった他の金融機関に税務署から非課税適用確認書の交付を行わない旨の通知書が届き、NISA口座が認められません。
そのため、複数申し込んでも希望する金融機関でNISA口座を開設できるとは限らないので、これから申し込みする人は自分が登録したい金融機関だけに申し込むようにしましょう。
もし間違えて複数の金融機関に申し込みをしてしまった場合は、早急に申し込みの取り消しを行いましょう。
税務署が非課税適用確認書を作成してNISA口座が開設される前であれば取り消し可能です。
1年ごとに金融機関の変更が可能
NISA口座は1年ごとに金融機関の変更が可能です。
NISA口座を間違えて複数の金融機関に申し込み、自分が望む金融機関以外でNISA口座が登録されたとしても、1年たてば口座変更が可能になります。
口座を変更したい年の前年の10月1日から翌年の9月30日までに手続きを完了すれば口座変更が可能です。
もし他の口座を利用したくなった場合は、1年間経過してから対応しましょう。
ただし、ロールオーバーというNISAで購入した金融商品の非課税期間を延長できる制度は、金融機関を変更すると利用できなくなるため注意しましょう。
新NISAのロールオーバーはどうなる?一般NISAからロールオーバーする仕組みや注意点を解説
NISA口座を複数持てるケース
ここまでNISA口座は一人1口座までと説明しましたが、家族内であれば複数のNISA口座を所持することは可能です。
NISA口座を複数持てるケースとしては、次のケースが挙げられます。
- 夫婦でNISA口座を開設する
- ジュニアNISAを開設する
NISA口座を増やして非課税限度額を増やしたい場合は、家族内でNISA口座を開設すると良いです。
以下にそれぞれ解説します。
夫婦でNISA口座を開設する
夫婦でそれぞれがNISA口座を開設することで、一人当たりの限度額は年間120万円で変更できませんが、家計全体で見れば240万円まで広げることができます。
5年間最大額投資すれば1000万円以上の額が非課税になるので非常にお得に投資が可能です。
ただし、夫婦二人分の金額を運用する場合、同じ銘柄に投資をすると損失が出たときに倍額損することになるので、リスクコントロールは必要です。
様々な銘柄に分散投資するなど、工夫して投資を行いましょう。
また夫婦でNISA口座をそれぞれが開設する場合、扶養家族かどうかは要件ではありません。
マイナンバーカードと本人確認書類があれば口座開設できるので、比較的楽に口座開設可能です。
ジュニアNISAを開設する
1家族で複数の口座を持つ方法としては、子供用のジュニアNISA口座を開設する方法があります。
ジュニアNISAとは、2016年4月から取引が開始した未成年の子どものための少額投資非課税制度です。
ジュニアNISAは一般NISA口座同様、扶養家族かどうかは要件となっていません。
しかし、代わりに口座開設者の2親等以内の親族による運用管理者をつけることが要件となっています。
子どもが2人いれば2人分の、3人入れば3人分のジュニアNISAの口座を開設できるので、子どもが多ければ多いほど非課税枠は増えます。
ジュニアNISAは金融機関の変更ができない
ジュニアNISAでは金融機関の変更が出来ません。
他の金融機関に変更する場合は、ジュニアNISAを廃止してもう一度開設するしか方法はありません。
口座廃止時には税金や手数料がかかるため、始める前には注意して行いましょう。
またジュニアNISAはあくまで子どもが利用するための投資枠のため、子どもが18歳になるまで資金は引き出せません。
株価が上昇すれば利益確定はできますが、売却代金は18歳まで引き出すことができないので注意しましょう。
ジュニアNISAは2023年に終了する
ジュニアNISAは2023年に終了することが決定しています。
18歳になるまで引き出すことが出来ない不便さや利用するのは親であることから、利用する人が非常に少なかったことが原因です。
ジュニアNISAの非課税枠で投資ができるのは後1年半程度しかありませんが、期間終了した後も18歳以下であればロールオーバーして非課税期間を延長することが出来ます。
NISAはデメリットが多い?メリットとデメリットから利用すべき人を解説
NISA口座は複数持てないが証券口座は複数持てる
NISA口座は非課税のため一人1口座の制約がありますが、証券口座は複数登録が可能です。
例えばA証券会社でNISA口座を開設し、同じA証券会社で一般口座を開設することもできますし、B・C証券会社に一般口座を開設することもできます。
それぞれの金融機関ごとに取り扱う商品が異なるので、投資の幅を広げたい場合は一般口座であっても他の証券会社に口座を開設するのはおすすめです。
NISA口座から証券口座への商品移動は可能
普通の証券口座からNISA口座へ商品を移動させることはできませんが、NISA口座から普通の証券口座へ商品を移動させることはできます。
NISA口座から普通の証券口座に移動すれば、課税扱いになりますが、他の金融商品と損益通算ができるメリットもあります。
NISAは他の投資とは損益通算できないため、NISAで損失を出し、他の一般口座で利益を出した場合は税金控除が全く役に立ちません。
そのため他でも口座開設しておいて、いざとなれば損益通算できるようにNISA口座から一般口座に移すのも一つの手です。
株初心者にNISAはおすすめ!非課税の仕組みやNISAのメリットを徹底解説
NISA口座開設を複数してしまった時の対処方法
証券会社で口座開設を行うとき、誤ってNISA口座開設の手続きを複数社に申し込んでしまった場合、速やかにNISA口座開設取り消し手続きを組む必要があります。
取り消し手続きを行った後は、口座開設手続きを後に行った方の口座が課税口座として開設します。
またNISA口座をすでに開設しているにもかかわらず、別途開設手続きを組んだ証券会社でNISA口座を開設してしまうケースもありますが、原則、NISA口座は1人1口座までということになりますので、通常口座扱いで開設します。
しかしここで気を付けなければならないのが、金融商品を購入して利益を得ている時です。
課税口座として開設した口座で利益を得た場合、20.315%の所得税が発生し、確定申告の提出が求められます。
くれぐれも同時期に口座開設を行わないようにしましょう。
NISA口座の変更で得られるメリット
一度登録してからNISA口座を変更するとロールオーバーが利用できませんが悪いことばかりではありません。
NISA口座の変更では、次のメリットがあります。
- 他の金融商品に投資できる
- 変更や新規口座開設のキャンペーンがある
- IPO投資に挑戦できる
- 取引にかかる手数料が安くなる
- アプリなどの使い勝手がよくなる
特に証券会社は利用者を増やすために様々なキャンペーンをしているため、変更すると移管手数料キャッシュバックなどのサービスが付くこともあります。
以下にそれぞれ解説していきます。
他の金融商品に投資できる
金融機関を変更すると複数の金融機関の商品に投資ができるので、投資できる商品の幅が広がるメリットがあります。
例えば銀行にNISA口座を持っている人は、金融商品自体の種類や銘柄数が豊富な証券会社に乗り換えることで投資の幅を広げることができます。
NISA口座を登録した1年目は投資について知識が浅くても、数年投資をしていくと他の金融商品も試したいと思うこともあります。
今後の投資幅を広げる意味でも、NISA口座の変更は悪い事ではありません。
変更や新規口座開設のキャンペーンがある
証券会社では、ユーザー確保のために他社からの口座の乗り換えや新規口座開設のキャンペーンを行っています。
そのため、NISA口座を変更が負担にならないケースが多いです。
また過去には、他社から口座乗り換えを行った方を対象に、手数料が全額キャッシュバックするキャンペーンが実施されていました。
その実例が、以下の2社になります。
- SBI証券:投資信託の移管のために支払った出庫手数料が全額キャッシュバック
- 楽天証券:国内株式の売買手数料無料・海外EFTの買付手数料が全額キャッシュバック
手数料がかからず今後の投資に活かすこともできます。
キャンペーン内容で乗り換え先を決めるのも一つの手です。
【株初心者必見】NISAとは?NISAの基礎をわかりやすく徹底解説
IPO投資に挑戦できる
一般NISA対応口座の開設を行えば、国内株式や海外株式、投資信託など、その証券会社がNISA対応で取り扱っている金融商品を活用した資産形成ができます。
それと合わせて、IPO投資にもNISA口座から投資することも可能にしている証券会社があります。
IPO投資とは、株式市場に新規上場する予定の銘柄を購入し、上場した後に売却して利益を得る人気の投資方法です。
IPO投資ができる証券会社の数は限られており、前回視野でできるというわけじゃありません。
加えて、IPO投資は、抽選制で当選しなければ始められない投資方法でもあります。
もし、IPO投資を視野に入れているなら、IPO投資の実績が高く、NISA口座に対応している証券会社でNISA口座を開設、または移動するのがいいでしょう。
【2023年最新】おすすめのIPO 証券会社ランキング|IPO取扱件数・主幹事数・抽選方法を徹底比較
取引にかかる手数料が安くなる
証券会社によって、売買取引時に発生する手数料の額は異なります。
基本無料で取り扱っているところもあれば、一定額維持用の取引が見られた場合は、金額相応の手数料を支払う必要が出てきます。
取り分を減らすことなく、取引していきたい方や、1日に何回も取引する方は、今利用している証券会社の手数料と移動先として検討している証券会社の手数料額とを比較してから移動を試みましょう。
場所によっては、今よりも取り分が大きくなり、取引コストが軽減されます。
アプリなどの使い勝手がよくなる
取引手数料や銘柄同様、取引時に利用するツール・アプリも証券会社によって使い勝手が異なります。
どの取引ツール・アプリも初心者から上級者向けとして使いやすい構造をしているものが多いですが、搭載されている機能に大きな差異があります。
使い勝手が良くても、利用したい機能がなかったりするケースも多々あります。
NISA口座を移す手前、自分が利用したい機能を搭載したツールを取り扱っている証券会社に移動すれば、よりスムーズな資産運用が実現します。
NISA口座変更後のデメリット
NISA口座の移動を兼ねて、証券会社の移動を試みれば、前述した3つのメリットが得られるわけですが、気を付けなければならないことが1つあります。
それが、ロールオーバーの利用ができなくなることです。
ロールオーバーは、一般NISAやジュニアNISAの非課税期間が終了しても、翌年の非課税枠に資産を移して非課税期間の延長ができる制度です。
また、非課税枠を超過した分を翌年の非課税枠を利用して非課税にすることもできます。
しかし、移動前の証券会社が取り扱っている金融商品という理由から、購入している金融商品を別の金融機関に移動させることはできません。
NISA口座の変更手続き
NISA口座を変更する際の流れは、次のようになります。
- NISA口座を開設している金融機関から「勘定廃止通知書」か「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- 変更先の金融機関からNISA口座開設書類を受け取る
- 変更先の金融機関に申し込み書類と、勘定廃止通知書か非課税口座廃止通知書どちらかを送付する
前述したように、NISA口座を変更する場合は、口座を変更希望する前年の10月から翌年の9月末までに手続きを行いましょう。
証券会社・銀行・郵便局でNISA口座は開設できますが、どの金融機関に移管する場合でも上記の流れです。
具体的な商品としては、証券会社は上場株式、株式投資信託、ETFなど幅広い商品なのに対し、銀行・郵便局の主な商品は投資信託という違いがあります。
一般NISA・つみたてNISA口座開設がおすすめの証券会社
ここからは、NISAを活用して株式投資を始められる方向けに、取引手数料・銘柄件数・最低積立金額の3つを比較した結果、口座開設がおすすめの証券会社を5社紹介します。
楽天証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
投信積立での楽天キャッシュ決済開始記念キャンペーン
積立NISA | 182銘柄 |
---|---|
投資信託 | 2,651本 |
外国株 | 米国株式(4,667銘柄)/中国株式/ASEAN株 |
ポイント投資 | 楽天ポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
楽天証券では、楽天グループが提供している全サービスで利用できる楽天ポイントを活用したポイント投資が、開設したNISA対応口座でも利用できます。
現金がない状態でも、金融商品の購入ができるだけのポイントがあれば、現金を投じることなく、商品の購入ができます。
また商品購入時と売買時にかかる手数料は、基本無料で取引が行えるため、ローコストで資産運用を行いたい方におすすめです。
楽天証券の評判・口コミはどう?楽天ポイントで投資できる仕組みや口座開設手順を解説
SBI証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
【不安定な相場で力を発揮する積立】iシェアーズ米国ETFの定期買付手数料を100%キャッシュバック!
積立NISA | 184銘柄 |
---|---|
投資信託 | 2,659本 |
外国株 |
|
ポイント投資 |
|
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
SBI証券は、前述した楽天証券に並ぶ人気を持つ証券会社です。
NISA対応で取り扱っている銘柄件数は、数ある証券会社の中でも随一の件数を持つほか、IPO投資の実績も高く、一般NISAからIPO投資に参加することも可能です。
また取引額に応じてTポイント、Pontaポイント、dポイントの3種類のいずれかを効率よく貯めることができます。
SBI証券の評判・口コミはやばい?口座数NO.1の理由やメリット・デメリットを徹底解説
松井証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 0円 | 0円 | 1,100円 |
1日定額制 | – | – | – |
毎月2人に1人、現金1,000円当たる!米国株&投信 W取引プログラム
積立NISA | 177銘柄 |
---|---|
投資信託 | 1,632本 |
外国株 | 米国株式(1,056銘柄) |
ポイント投資 | 松井証券ポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
松井証券は、数ある証券会社の中でも創業年数が長く、経験実績も豊富な証券会社です。
長年の実績から培った経験を基に、新規で資産運用を始めた初心者を対象に基本無料で受けられるサポート体制を敷いています。
サポートは電話やメール対応のみならず、画面共有によるリモートサポートも行っています。
また、取引時に発生する手数料は買付・売却時ともに基本無料です。
松井証券の評判・口コミはどう?サービス内容や取引手数料の評価を徹底調査
マネックス証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 550円 | 550円 | 550円 |
フォロー&リツイートで米国会社四季報プレゼント!
新規上場記念クイズでAmazonギフト券1,000円分をゲットしよう! など
積立NISA | 152銘柄 |
---|---|
投資信託 | 1,276本 |
外国株 | 米国株式 中国株式 |
ポイント投資 | マネックスポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
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マネックス証券は、前述してきた証券会社の中でも海外株式の取り扱い銘柄件数に定評がある証券会社です。
中でも中国株の取扱件数が豊富で、米国株と合わせれば約6,000にも及ぶ銘柄の中から目的に適した金融商品の買い付けができます。
またSBI証券同様、NISA口座はIPO投資にも対応しています。
マネックス証券の評判・口コミはどう?米国株投資におすすめの理由や口座開設手順も解説
auカブコム証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
信用取引口座開設+新規建1億円以上で信用取引の売買手数料(税込)全額キャッシュバック など
積立NISA | 177銘柄 |
---|---|
投資信託 | 1,587本 |
外国株 | 米国株式(1,532銘柄) |
ポイント投資 | Pontaポイント(投資信託・プチ株買付に利用可能) |
取引ツール(PC) |
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スマホアプリ |
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auカブコム証券で一般NISA対応の口座を開設すれば、単元未満株の購入ができるため、少額から投資経験を積んでいきたい方におすすめです。
また取引毎にPontaポイントが取引額に応じて加算され、貯まったポイントは、普段使いのみならず、ポイント投資に転用することもできます。
またNISA口座を持ちながら、一般・特定口座で現物株式取引を行えば、売買手数料が最大5%OFFになるNISA割などの独自サービスを用意しています。
auカブコム証券の評判・口コミはどう?メリット・デメリットや取引手数料・取引ツールを解説
NISA口座は一人1口座までだが家族間であれば複数所持可能
NISA口座は一人1口座までの制約がありますが、家族間でそれぞれが口座を作れば家計で見たときの非課税枠を増やすことは可能です。
また、もし複数に口座登録を申し込んでいる場合は、税務署が非課税適用確認書を受け付けたのが最も早い金融機関で登録されることになります。
第一希望の金融機関でNISAが使えない可能性もあるので、間違いに気づいた場合はできるだけ早めに対応しましょう。
NISAを上手く活用するためには、他の金融機関に口座変更するのもおすすめです。