さて、「株式投資」と「不動産投資」のどちらがおすすめかについて、両方の経験を持つ個人投資家である私が自分の経験に基づいてお伝えします。
「株式投資」と「不動産投資」には、それぞれ様々なやり方があり、資産、年齢、リスク許容度、割ける時間や労力などによって、どういう投資方法が良いのかは異なります。
ここでは話をシンプルにするために、個人がする(ヘッジなどはしない)投資で、
- 株式投資は上場会社の株への中長期の投資
- 不動産投資は中古区分マンションとアパート・マンション一棟への投資
として、それぞれの特徴や仕組みと、メリット・デメリットについて詳しくご説明していきます。
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株式投資と不動産投資の仕組み・特徴
まずは株式投資と不動産投資、それぞれの仕組みや特徴について把握しましょう。
そのうえで、資産状況、目的に応じて自分にとって最適な投資法を選んでください。
特に利回りが高いからといって、それが自動的に良い投資であるわけではありません。
リスクとリターン、そして手間や時間を考慮した上で、より適切な投資手段を選ぶことが重要です。
株式投資はハイリスクハイリターン
株式投資は証券会社に口座を開設し、選んだ銘柄の株を購入する形で行います。
リスクが比較的高い反面、資産の流動性が非常に高いのが特長です。
株式市場が開いている時間内であれば、短時間でも売買が可能です。
また株式を保有していることで、配当金や株主優待といった特典を受けとれる可能性があります。
不動産投資は安全性重視
不動産投資では主に物件を購入し、賃貸として運用することで利益を得るのが一般的です。
不動産の資産価値が一定期間安定しているため、投資の中では安全性が比較的高いとされます。
ただし流動性は低く、物件を売却する場合には数ヵ月程度時間がかかることが多いです。
また不動産投資では物件の選定、管理、修繕など、多くの手間とリスクを創生する必要があります。
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株式投資のメリット
それでは、まずは株式投資のメリットを詳しく解説していきます。
お伝えしたように、株式投資に関しては「上場会社の株への中長期の投資」の場合を想定して解説します。
株式投資の具体的なメリットは9点あります。
「多い!」と思われるかもしれませんが、それほど投資手法として有効だと言えますね。
それぞれ詳しくご説明しながらご紹介していきます。
- 小さな金額から投資できる
- 売買手数料が低い
- 譲渡益や配当金にかかる税金が約20%で、納税が簡単
- 大きな利益(キャピタルゲイン)を出せる
- 配当(インカムゲイン)を得られる
- 株主優待を受けられる
- 「売り」から入ることができる
- リスクの低いIPO投資やPO投資ができる
- 不動産投資に比べて流動性が高い
小さな金額から投資できる
株式投資のメリット1点目は、小さな金額から投資できることです。
たとえばムーミンバレーパークを運営しているフィンテック グローバル株式会社(8789)の株は1万円以下から購入できます。
(2020年6月19日の終値53円×100株(単元株数)=5,300円)
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売買手数料が安い
売買手数料が不動産投資と比べて低く、一日の約定代金合計が50万円以下なら売買手数料が無料というような証券会社があるほどです。
税金が抑えられ納税も簡単
譲渡益や配当金に対して20.315%(所得税15.315%と住民税5%)の税金がかかるだけです。
また源泉徴収ありの特定口座を選べば税金が自動的に天引きされるため確定申告をしなくて済みます。
大きな利益(キャピタルゲイン)を出せる
株価が大きく動けば大きな利益を出すことも可能です。しかも短期間でたくさんの利益を出せることもあります。
配当(インカムゲイン)を得られる
投資をしている企業の業績が良くないと配当がでないことがありますが、平均配当利回りは銀行預金の金利よりずっと高いです。
株主優待を受けられる
株主優待として品物や食事券やギフトカードなどを出している会社は多いです。
金額に換算した株主優待と配当の合計利回りが高い株に投資をしている人たちもいます。
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売りから入れる
株価が下がると思ったら、証券会社から株を借りてそれを売り(信用売り)、期日までに株を買い戻します。
予想通りに株価が下がった場合には利益を得ることができます。
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リスクの低いIPO投資やPO投資ができる
新規公開株(IPO)は初値の予想が盛んにされていて、あまり外れることがありません。
そのため、初値が高いと予想される株に抽選申し込みをして当選すれば、かなり低いリスクで利益を得る可能性が高いです。
問題はそのような株は人気となるため、なかなか当選しないということです。
POとは公募・売出と言われているもので、市場から数パーセントディスカウントした価格で売られている株です。こちらも人気があると買えない場合がありますが、IPOほどではありません。
PO投資とは、ディスカウントされた株を購入する一方、信用取引でディスカウントされていない金額で株を売ってサヤを稼ぐという方法です。
しかし、禁止したり自粛を求めたりする証券会社もあるので、注意が必要です。
不動産投資に比べて流動性が高い
株はほとんどの場合、売買がすぐにできるので、不動産に比べると流動性がはるかに高いです。
不動産投資のメリット
続いて、不動産投資のメリットをご紹介します。
不動産投資に関しては、「中古区分マンションとアパート・マンション一棟への投資」を前提に解説します。
不動産投資にも多数のメリットが存在しており、株式投資とはまた違った魅力です。
- 不動産購入時におおよその利益がわかる
- 相対取引なので安く購入できる場合がある
- 不動産投資は他の業種と比べて失敗しにくい
- 管理は管理会社に依頼できる
- レバレッジをかけて大きな利益を狙える
- 節税対策になるこ
- 生命保険が不要
不動産購入時におおよその利益がわかる
投資をする不動産について、長期の収支のシミュレーションをしてキャッシュフローを予測しておけば、おおよその数字がわかり、安定して運営することができます。
相対取引なので安く購入できる場合がある
不動産は相対取引なので、早く現金が欲しいという売り主から安く買えることがあります。
不動産投資は比較的失敗しにくい
不動産オーナーを助けるビジネスが確立しているので、騙されたり買う物件を間違えたりしなければ、経営能力が高くなくても事業で失敗することがあまりありません。
管理は管理会社に依頼できる
不動産投資の場合、管理会社に管理を委託すればあまり手がかかりません。
私も忙しい本業を持ちながら、管理会社に管理をお願いして不動産投資をしています。会社員が副業ですることも可能です。
レバレッジをかけて大きな利益を狙える
世界的ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏は、金持ちは借金をうまく使ってもっと金持ちになっていると書いています。
他の投資や他の事業のために銀行からお金を借りるより、不動産賃貸業のために借りるのはたやすいので、その借金をうまく使って自分が持っているより大きなお金を動かすことにより(レバレッジをかけることにより)、より大きなキャッシュフローを得ることができます。
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節税対策になる
建物の減価償却費などを所得から引くことができます。
そのため収支が赤字になれば、会社員は給与所得と損益通算ができ、課税対象となる所得が減ることで所得税や住民税(さらには保育料など)が減ります。
生命保険が不要
融資を使う場合、通常、借主は団体信用生命保険に入る(保険料は融資の金利に上乗せされる)ため、契約者が死亡・高度障害という事態には、借入金の返済は免除されます。
株式投資のデメリット
続いて、株式投資と不動産投資の、それぞれのデメリットについてまとめています。
メリットだけでなくリスクについてもしっかりと把握した上で、自分に合った投資法を選択しましょう。
メリット紹介の際と同じように、個人がする(ヘッジなどはしない)投資で、
- 株式投資は上場会社の株への中長期の投資
- 不動産投資は中古区分マンションとアパート・マンション一棟への投資
上記の仮定で解説します。
まずは株式投資のデメリットを2点ご紹介します。
株式投資は気軽に始められる投資手法ではありますが、少なからずデメリットも存在していることを忘れないようにしましょう。
- 値下がりリスクがある
- 価格変動が大きい
値下がりリスクがある
株式投資では株価の動きにより損をすることがあります。
私は、「xxの株は出庫しました」というはがきを証券会社から受け取ったことがありました。「出庫って? 株はどこに行ってしまったのですか?」と聞いたところ、「上場廃止になりました」と言われました。
仕事に忙殺され株をしばらく放置していたため、業績の悪化に気がつかなかったのです。株券が紙くず同様になってしまいました。
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価格変動が大きい
不動産投資に比べると価格の変動が大きいです。
中長期の投資であっても、会社の業績や株価のチェックを時々したり、ニュースや政治家の発言や雇用統計など発表される数値に気を配ったりする必要があります。
不動産投資のデメリット
最後に、不動産投資のデメリットをご紹介します。
- 投資金額が大きい
- 想定しなければいけないリスクが多い
- 大きな税金がかかる
- 物件購入までに時間と労力がかかる
投資金額が大きい
株式投資よりも投資金額が大きいので、失敗するとダメージが大きくなります。
融資を使っている場合、想定より収入が少なくなったり、予想外の大きな支出があったりすると、キャッシュフローを得るどころか、持ち出しとなることもあります。
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想定しなければいけないリスクが多い
災害による建物のダメージ、家賃滞納、部屋での孤独死など様々なリスクがあります(しかしながら、火災保険や家賃保証などでリスクを軽減することができます)。
大きな税金がかかる
不動産投資では税金が利益にかかるだけではなく、購入時に不動産取得税がかかり、保有していることで固定資産税と都市計画税が毎年かかります。
税務処理も大変です。
物件購入までに時間と労力がかかる
物件を見る目を養わなくてはならないですし、物件を見に行ってチェックする時間と労力がかかります。
不動産コンサルタントに依頼してもいいのですが、ある程度の知識がないとあまり良くない物件をつかまされることがあります。
また銀行の融資を使う場合、審査に通るためには、書類やプレゼンの準備をしなくてはなりません。
株式投資と不動産投資がおすすめな人の特徴を比較
株式投資と不動産投資、それぞれがおすすめな人の特徴を紹介します。
自分のいる状況や性格などと照らし合わせ、自分に最適な投資はどちらかを考えていきましょう。
株式投資がおすすめなのは手軽さを求める人
不動産投資よりも株式投資をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 少ない資金でもすぐに投資を始めたい人
- ネットで手軽に取引したい人
- 換金性の高い資産に投資したい人
少ない資金でもすぐに投資を始めたい人
株式投資は、初心者や学生、資金が少ないと感じている人でも、数千円から始めることができます。
口座開設から購入までが非常にスムーズで、最短当日から取引ができることも。
少ない資金ですぐにでも始められるこの手軽さとハードルの低さが、投資初心者には嬉しいですね。
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ネットで手軽に取引したい人
株式投資はオンラインでの取引が主流であり、多くの証券会社が専用アプリを提供しています。
これによりいつでもどこでも取引が可能であり、また手数料も対面取引に比べて一般的に安価です。
忙しくて対面での取引が難しい方、証券会社の店舗窓口の営業時間に仕事のスケジュールが合わない方にもおすすめです。
換金性の高い資産に投資したい人
株式は非常に流動性が高く、短期間での売却も容易です。
手数料も一般的には低く、市場には常に多くの売買相手がいます。
急な支出が必要な場合や、思い立った時すぐに資金を引き出したいと考えている人には、この高い換金性が魅力となるでしょう。
不動産投資がすすめなのは安定を求める人
続いて不動産投資がすすめな人の特徴を見ていきましょう。
手堅い運用をしたい人
不動産投資は価値の安定性が高く、物件という形で実物が手に入るため、一般的にリスクが低いとされています。
特に老後資金の確保が目的で投資を始める方にとって、長期間で安定したリターンを期待できる投資手法はおすすめです。
レバレッジを効かせた投資をしたい人
一般的に、不動産投資では頭金が少額でよく、多くの部分を借金で賄うことができます。
頭金10万円で物件価格の100%が借入できるため、レバレッジを効かせた少額からの投資を行うことが可能です。
これによって、手元資金が少なくても大きな資産を手に入れ、効果的な運用できます。
なるべく楽に投資をしたい人
不動産投資では、賃貸管理や物件の維持・管理を専門の管理会社に任せることができます。
これにより日々の運用にかかる手間を削減し、長期間にわたって手間なく投資を続けられます。
株式投資と不動産投資の利回りを比較
株式投資と不動産投資の、それぞれの利回りの良さを比較しました。
利回りを考慮する際、株式投資と不動産投資はそれぞれに独自のリスクとメリットがあります。
株式投資は流動性が高い反面、市場の変動によるリスクも高いです。
一方、不動産投資は資産が具体的な形を持っているため、価値が急落する可能性は低いとされます。
しかし、運用には物件管理や税金、メンテナンス費用なども考慮しなければならない点もあります。
高い利回りが魅力的でも、それに見合ったリスクと手間が伴うことを理解した上で投資を行うことが重要です。
株式投資の利回りは低め
株式投資における利回りは、一般には2.0%〜3.0%程度とされています。
特に日本の主要市場では、プライム市場が平均で2.34%、スタンダード市場が1.89%、そしてグロース市場が0.21%といった利回りが示されています(2023年2月時点)。
株式投資の利回りは銘柄や時期、更には運用戦略によっても大きく変動しますが、一般的に不動産投資よりは利回りは低い傾向にあります。
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不動産投資の利回りは高め
不動産投資の利回りは物件の種類によって大きく異なります。
例えば、区分マンションでは3.0%〜5.0%程度、一棟マンションは約8.0%、一戸建ては6.0%〜8.0%程度とされています。
特に一棟マンションや一棟アパートでは利回りが8.0%程度と、株式投資よりも一般的に高い利回りが見込まれます。
これらの数字はあくまで表面利回りであり、実際の運用にはまた多くの要因が影響を与えることもあるため、注意が必要です。
株式投資と不動産投資に関するよくある質問
株式投資と不動産投資に関するよくある質問と回答を紹介します。
- 株式投資と不動産投資のどちらが初心者向き?
- 株式投資と不動産投資はどちらが利回りが高い?
- 株式投資と不動産投資はそれぞれどんな人におすすめ?
株式投資と不動産投資のどちらが初心者向き?
初心者が最初の投資をするなら、株式投資がおすすめです。
不動産投資はまず資本が多く必要です。
安定した家賃収入が見込める場合が多いですが、いきなり多額の資金を用意することが難しかったり、投資に大金を当てることに不安を覚える初心者が多いです。
一方株式投資は少額から始められ、取引もオンラインで手軽にできます。
株価の変動が激しい場合もあり、短期間での損失が出る可能性もありますが、銘柄選びや購入額に気を配ることでリスクをコントロールすることができます。
どちらの投資手法が適しているかは、その人の目的や興味、環境によって異なりますが、初心者ならまず、少額から始められる株式投資がおすすめです。
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株式投資と不動産投資はどちらが利回りが高い?
利回りに関しては、一般的に不動産投資の方が高いとされています。
株式投資の平均的な利回りは2.0%〜3.0%程度ですが、不動産投資の場合、例えば一棟マンションでは利回りが8.0%程度と見込まれています。
ただし、これはあくまで一般的な数字であり、リスクや管理費なども考慮する必要があります。
株式投資と不動産投資はそれぞれどんな人におすすめ?
株式投資は、短期間でのリターンが求められるなら、多少リスクを取っても良いという人におすすめです。
また、市場動向に敏感で短期の売買で利益を上げたいと考えている人にも適しています。
一方、不動産投資は長期的な安定収入を求める人、大きな初期投資ができるという人におすすめです。
特に、将来的には物件を資産として残したい、または老後の資金確保を目的として考えている人には不動産投資がおすすめです。
それぞれの投資手法には利点と欠点がありますので、自分自身のライフスタイルや目的に合った投資を選ぶことが重要です。
株式投資と不動産投資は順番に始めるのがおすすめ
以上、株式投資と不動産投資を比べてメリットとデメリットを考えてみましたが、結論、株式投資と不動産投資は両方を順番に始めるのがおすすめです。
理由としては、異なる投資商品への分散投資によってリスクを軽減できるからです。
最近では新型コロナウィルスの影響で株価がかなり下がった局面がありましたが、不動産投資では、「もう少し低い家賃の部屋に引っ越す」という理由で退去になった部屋や、家賃滞納があったものの、自粛解除となったら入居もありました。
とはいえ家賃保証で家賃は入っていて、それほど影響を受けませんでした。(私はある程度の株式投資の経験があるので、株は下がったときに少し買うことができたのですが、株価が下がったところで売って損をしたり、含み損を抱えて心配したりしている投資初心者は少なくないかと思います。)
順番としては株式投資を少額で先にやって「投資」というものを理解してから、不動産投資をするのがよいかと思います。
小さく初めて、失敗したとしてもそこから学び、投資によってお金が増やせて、安心される人が増えるよう願っています。
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