前場とは
前場…証券取引所で午前中に行われる株式の売買のこと、またその時間。
前場とは証券取引所で午前中行われる取引と申し上げましたが、「じゃあ午後の取引もあるってこと?」と思われている方も多いのではないでしょうか。
正解、その通りです。
株式投資の取引時間はお昼休憩を挟んで、午前中は「前場」、午後は「後場」と言います。
前場・寄り付き・引けの違い
お伝えしたように、前場は株式市場の午前の取引、後場は午後の取引の事を意味します。
一方、寄り付きは各時間の最初の取引、引けは各時間の最後の取引の事を指します。
前場と後場は、どちらも寄り付きと引けの時間に取引が多くなるため、株価が大きく変動する傾向にあります。
株の短期運用では、最も取引の数が多い午前の寄り付きでの取引がおすすめです。
一方で長期運用の場合、1日の間の変動はあまり重要ではありません。
取引時間に神経質になりすぎず、何度か取引をしてみて株式投資に慣れていきましょう。
株式投資の取引タイミング
株式投資の取引タイミングについて詳しく解説します。
株式投資の取引時間は平日の日中
では、株式投資の取引が可能な時間はいつなのでしょうか?
結論から申し上げますと「平日の日中」です。
「副業として株式投資をしたいけど難しいの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません!
この取引時間とは、あくまでも「取引が成立する時間」のことです。
つまり、株式の注文自体は取引時間外でも可能です。
詳しくご説明していきます。
ちなみに、立会時間という言葉をご存じですか?
今後、株式投資をやっていくなかで頻繁に出てくる言葉ですので、ぜひこの機会に覚えておいてください。
立会時間…取引ができる時間。細かい時間は証券所によって異なる
日本は証券所ごとに取引時間が異なる
株式の取引時間は「平日の日中」とお伝えしましたが、「具体的に何時から何時?」と疑問に思われている方が多いのではないでしょうか。
実は、細かい時間は証券所によって異なるのです。
そもそも日本には4つの証券所があるのをご存じですか?
- 東京(東証)
- 名古屋(名証)
- 札幌(札証)
- 福岡(福証)
このうち、東京にある東京証券取引所が上場数や取引数ともに圧倒的です。
テレビなどでもよく「東証一部上場」という言葉を耳にするかと思いますが、それはこの東京証券所のことです。
もちろん地方にも優良な銘柄が存在していますが、地方の証券所に上場している企業の多くは東証にも上場しています。
そのため、特に初心者の方は東証で取引することをおすすめします。
では、具体的な取引時間を見ていきましょう。
以下の表にまとめましたので、ぜひチェックしてください。
証券所 | 前場 | 後場 |
---|---|---|
東京証券取引所 | 9:00~11:30 | 12:30~15:00 |
名古屋証券取引所 | 9:00~11:30 | 12:30~15:30 |
札幌証券取引所 | 9:00~11:30 | 12:30~15:30 |
福岡証券取引所 | 9:00~11:30 | 12:30~15:30 |
東京証券所は後場が15時までと他の証券所より30分ほど短いですが、前場はどこの証券所も9時から11時30分となっています。
つまり、前場とはこの平日の9時~11時30分のこと、またこの時間に成立した取引のことを言うのです。
ちなみに、このようにお昼休憩を挟んで前場と後場に別れているのは、日本の証券所ならではの特徴です。
海外の証券所はお昼休憩がないため、前場と後場の区別もありません。
証券会社には「ネット」と「対面」がある
一般の個人投資家が株式投資を行うには、証券会社に口座を開く必要があります。
ここで気をつけてほしいのが、証券会社には「ネット」と「対面」があることです。
その名の通り、ネットで取引をするか、人を通して取引をするかの違いです。
以下2つの違いを徹底比較します。
対面方法 | ネット取引 | |
---|---|---|
取引方法 | 電話で証券会社の担当者に注文する | WEB上の取引画面から注文する |
メリット | 担当者からアドバイスがもらえる | 売買にかかる手数料が安い |
デメリット | 手数料が高い | アドバイスはもらえない |
このように見ると、それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った方を選ぶことをおすすめします。
個人投資家にはネット証券がおすすめ
証券会社にはネット証券と対面証券があるとお伝えしました。
個人投資家の方、特に日中働かれている方には「ネット証券」をおすすめします。
なぜなら、ネット証券であれば立会時間後も「買い注文」や「売り注文」を出すことが可能だからです。
ネット証券であれば、立会時間に縛られることなく株式投資を行うことができます。
具体的には、前場終了時・後場終了時、またシステムメンテナンスの時以外には、24時間注文が可能です。
さらに、平日だけではなく土日も注文することができます。
気軽かつ簡単に取引ができるので、個人投資家の多くの人はネット証券を利用しています。
筆者もネット証券をおすすめします!
ネット証券での時間外取引の注意点
では、実際にネット証券で取引時間外に注文をするときに気をつけるポイントをご紹介していきます。主に気をつけるべきポイントは以下の2点です。
- 日経平均先物を有効活用する
- 日中仕事がある場合は朝に注文する
それぞれ詳しくご説明していきます。
日経平均先物を有効活用する
ネット証券で取引時間外に注文するときに気をつけるべきポイント1つめは、日経平均先物を有効活用することです。
そもそも「日経平均先物」とは何か、皆さんご存知ですか?
日経平均先物…日経平均株価が上がるか下がるかを予想し、期日までに決済を行う先物取引。通常の株取引に比べて少額で始められ、夜間の取引に対応しているため日中働いている人でも時間を気にせず売買が可能
日本では朝の8時45分から取引が始まりますが、ニューヨークでは日本時間の朝8時、シンガポールでは日本時間の朝8時半から取引が開始されます。
つまり、これら海外の株価の動向をチェックすることで、日本の株価の動向もある程度予測することができるのです。
海外の株価の動向という最新情報を知ったうえで取引をすれば、「アメリカで下落している株を高く買ってしまった」といった失敗も避けることができます。
特に初心者の方は、経験も知識もどうしても足りないので、自己判断だけで投資を決断してしまうと大きな損失につながります。
まずは「損をしないこと」を第一に慎重に吟味して投資しましょう。
日中仕事がある場合は朝に注文する
ネット証券で取引時間外に注文するときに気をつけるべきポイント2つめは、日中仕事がある場合は朝に注文することです。
1つめにご紹介したものと多少被るところもありますが、ご説明していきます。
通常、時間外に注文を入れた場合、同じ値段で注文したら注文時間が早いほうが優先されます。
しかし、だからと言って夜に注文するのはあまりおすすめできません。
なぜなら、株価は日本国内だけで決まるわけではないからです。
特にアメリカの株式市場は日本の株式市場に大きな影響を与えます。
つまり、株式の注文をする前に、アメリカやヨーロッパの株式市場の動向を確認することで、取引での損失のリスクを軽減させることができるのです。
ニューヨーク証券取引所では日本時間の朝6時まで取引されています。
そのため、朝にニューヨーク証券取引所での動向を確認することでアメリカの株価の変異が分かり、日本の株価をより正しく予測することが可能になります。
つまり、朝に世界の株式の動向をチェックすることで、より正確な株価予想が可能になり、損失を減らせるというわけです。
PTSなら夜間でもリアルタイムで取引できる
ここまで、時間外に注文をする際のポイントをお伝えしてきましたが、「やっぱりリアルタイムで取引したい」という方もいることでしょう。
実は夜間にリアルタイムで取引できる「PTS」という制度があります。
一体どのようなものなのか、またメリット・デメリットは何か、詳しく解説していきます。
PTSとは?
まずは、PTSがどのようなものなのかご説明していきます。
では、そもそもPTSとはなんなのでしょうか。
PTS…Proprietary Trading System、私設取引システム。証券会社が独自に持っている取引システムを使って、夜中まで取引ができる仕組み
つまり、証券会社によってPTSができるところとできないところがあるのです。
現在、PTS取引が可能な証券会社は以下の3社です。
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
それぞれの証券取引所の詳しい取引時間は以下のようになっています。
証券会社 | 取引時間 |
---|---|
SBI証券 | ディタイムセッション 8:20~16:00 ナイトタイムセッション 17:00~23:59 |
松井証券 | ディタイムセッション 8:20~15:30 ナイトタイムセッション 17:30~23:59 |
楽天証券 | ディタイムセッション 8:00~16:00 ナイトタイムセッション 17:00~23:59 |
「日中働いているけどどうしてもリアルタイムで取引がしたい!」という方は、上記の3つの証券会社の中から口座を開設するようにしてください。しかし、PTSは非常に複雑で難しいので、初心者の方にはおすすめできません。
前場の特徴まとめ
- 前場とは、証券所における取引時間のお昼休憩を挟んだ午前中のこと
- 株式の取引可能時間(=立会時間)は「平日の日中」
- ネット証券なら24時間土日も注文可能
- どうしても夜間にリルタイムで取引したいならPTSを利用する
前場の関連キーワード
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