バリュー株(割安株)

割安株(バリュー株)とは?スクリーニング条件を確認してバリュー株に投資しよう

編集者:Money Theory編集部
割安株(バリュー株)とは?スクリーニング条件を確認してバリュー株に投資しよう

株式投資を始めたばかりの方は、覚えることや勉強することが多くて大変ですよね。

そんな中の1つに割安株・スクリーニングがあります。

上手にスクリーニングをして割安株を見つけることが出来れば、初心者でも長期的に利益を目指すことが出来ます。

今回この記事では、割安株と守るべきスクリーニングの条件に付いて解説します。

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割安株(バリュー株)とは相場より価格が低い株

割安株の状態

割安株は、本来持っているはずの価値よりも低い価値で推移している株式のことです。

本来の価格よりも低い価格で推移している理由は以下のようなものが考えられます。

  • 企業の規模が小さい
  • 企業の知名度が低い
  • 企業がマイナス評価を受ける報道がされた
  • 売り上げや利益に期待が出来ない

割安株はバリュー株とも呼ばれ、クローズ株と比較をされます。

割安株 様々な理由から、本来持つべきはずの株価よりも低い水準で推移している銘柄
グロース株 企業の売り上げや利益の成長率が高く、今後株価の上昇が期待される銘柄

割安株を早期に見つけることが出来れば、株式の価値が徐々に本来その株式が持つはずの価値に上昇していくので、その差を利用して利益を得ることが出来ます。

割安株(バリュー株)を見つけるためのスクリーニング条件

割安酢株を見つけるためのスクリーニング条件として7つ紹介します。

スクリーニングをするためには、ファンダメンタルズ分析を用います。

ファンダメンタルズ分析とは

  • 企業の経済活度等の状況を収益性や財務の健全性などから分析する方法

ファンダメンタルズ分析の観点からスクリーニングをする際は、経済動向の指標を使って分析します。

以下で、各指標について解説していきます。

  • 株価収益率(PER)は15倍以下
  • 株価純資産倍率(PBR)は1未満
  • 株式資本利益率(ROE)は10%以上
  • 自己資本比率は50%以上
  • 配当利回りは3%以上
  • PEGレシオ(PEG)は2倍以上
  • 企業価値倍率(EV/EBITDA)は10倍以上

株価収益率(PER)は15倍以下

株式収益率(PER)は、株式の価格が割安なのか割高なのかを判断する際に最も多く扱われる指標です。

1株当たりの収益率がどれくらいかを計ることができ、以下の様に求めることが出来ます。

PER=株価÷一株当たりの利益(EPS)

PERが低ければ低いほど、その株式が持つ本来の価値よりも過少評価されているということになります。

日本株の平均PERは15倍前後なので、PERが15倍より低いかを目安にしましょう。

株価純資産倍率(PBR)は1未満

株価準資産倍率(PBR)は、1株当たりの純資産の何倍の値段がつけられているかを表す指標です。

PBR=株価÷一株当たり純資産

PBR=1の時が株価の底値として考えられていましたが、以下の様に1を下回る企業も増えてきたため、PBR単独ではなく他の指標と合わせて判断するようにしましょう。

市場 名称 PBR
東証1部 千葉興業銀行 0.09
東証1部 じもとホールディングス 0.11
東証1部 栃木銀行  0.11
福証 宮崎太陽銀行 0.11
東証1部 東京きらぼしファイナンシャルグループ 0.12
東証1部 山梨中央銀行 0.12
東証1部 高知銀行 0.12
福証 豊和銀行 0.12
東証1部 筑波銀行 0.13
東証1部 愛知銀行 0.13

(PBR1以下の企業楽天証券から抜粋)

株式資本利益率(ROE)は10%以上

株式資本利益率(ROE)は自己資本に対する企業の収益性を計る指標です。

ROEは下記計算式で求めることが出来ます。

ROE=当期純利益÷自己資本×100

自己資本利益率が高い会社は投資家から、投資したお金を上手に使っている会社と判断してもらうことが出来ます。

反対に、自己資本利益率が低い会社は、投資したお金を上手に使うことが出来ていない会社と判断をされてしまう可能性が高いです。

国内株式の平均ROEは5%程度であるため、10%以上であれば投資先として優良企業と判断することが出来ます。

自己資本比率は50%以上

自己資本比率とは、会社が持っている資産の全体の内どれくらい自費で負担をしているかを表す割合です。

自己資本比率=自己資本÷総資本×100

上場企業の平均的な自己資本比率は40%なので、自己資本比率が50%以上であれば優良企業と判断することが出来ます。

自己資本比率が少なければ、企業経営の安全性が低く、倒産する可能性が高い会社と言い換えることも出来ます。

配当利回りは3%以上

株式投資をする人の中には、配当金目的で企業の株式を購入する人がいます。

投資家に対して、配当金を出している会社は企業内の収益構造がしっかりしていることから、配当利回りが高い会社は企業の安全性を示す一つの指標としてあらわすことが出来ます。

配当利回り=年間の配当額÷株価

PEGレシオ(PEG)は2倍以上

PEGレシオ(PEG)は、中長期的な視点から企業の利益成長率を踏まえて株価の水準を計る指標です。

PEG=PER÷1株当たりの予想利益成長率

PEGレシオによって割安株か割高株かを判断することが出来ます。

  • PEGレシオ>2…割高株
  • PEGレシオ<1…割安株

企業価値倍率(EV/EBITDA)は10倍以上

国内の比較ではなく、世界的な株価の比較として使われる指標です。

  • EV…株式時価総額と準有利子負債及び少数株主持分の合計額
  • EBITDA…利払い前税引き前償却前利益

事業価値をEBITDAでどれだけの期間賄うことが出来るため、簡易買収倍率と言われスクリーニングだけでなくM&Aの世界でも使われています。

日本やヨーロッパの先進国は成熟化が進んでいるため、新興国と比べると低い数値となっており平均は8倍です。

10倍以上の企業価値倍率がある企業は安定企業ということが出来ます。

企業価値評価法を使ったスクリーニング

企業評価法これまで紹介した方法と異なるスクリーニングを紹介します。

企業価値評価法はM&Aの世界ではよく使われる方法です。

上場している企業であれば、株価を見ることで企業の価値を知ることができますが、未上場企業の価値を知ることは出来ません。

経済産業省によると日本の企業数は250万以上ありますが、そのうち上場している企業は約3500社しかありません。

企業価値評価法を用いることで、上場していない企業の価値かを知ることも出来ます。

株式投資で高利益を得るためには、早く割安株を見つける必要があるので、上場前から優良企業を見つけておくことで、上場した際にスタートダッシュを切ることができます。

  • インカムアプローチ法
  • コストアプローチ法
  • マーケットアプローチ法

インカムアプローチ法

インカムアプローチとは、譲渡企業に今後見込まれる収益やキャッシュフローから、リスクなどを考慮して企業価値を算出する評価方法です。

会社が持つ将来の収益獲得能力や固有の性質を評価結果に反映させられる点で優れていますが、未来のことを予測するという側面があることから、将来情報に対する恣意性が排除されづらいという難点もあります。

インカムアプローチ法は、DCF法と配当還元法の2つあり、それぞれは以下の通りです。

DCF法(Discounted Cash Flow =割引キャッシュフロー法)
将来的に見込まれるキャッシュフローから、リスクの大きさに合わせて設定した割引率(将来的な価値を現在の価値に直すための利子率)で引くことで算出します。

そのために事業計画を作り、将来のキャッシュフローの予測を出す必要があります。

譲渡企業の会計上に現れない無形の資産(のれん代)についてもDCF法では加味することが出来るため、企業価値を正しく評価することが可能です。

配当還元法

株式の配当金と資本金を基準にして企業価値を算出する方法です。

過去2年間の配当金の10%を割戻して株価を算出します。

3%〜5%程度の少数株式を保有している人が株式を譲渡する際に活用される手法です。

コストアプローチ法

企業の株式価値を算出する方法の1つで、企業の保有している資産および負債を元に出します。

算出方法は等価純資産法と時価準資産法がありそれぞれは以下の通りです。

簿価純資産法

簿価純資産法では、評価対象企業と、その企業が持つ事業の資産・負債を、帳簿に基づいて計算を行います。

計算をする際は、帳簿に記載されている資産の合計から、負債を差し引いた額を企業価値とします。

しかし、帳簿の数値だけを用いて計算しているため、資産や負債に対して現在の市場価値をではなく、過去の資産価値しか評価することが出来ません。

帳簿の数字のみで企業価値を評価しているため、その企業の現在の価値を正しく評価することが出来ておらず、市場価値との差を考慮する必要があります。

時価純資産法

時価純資産法では、譲渡企業の資産・負債を時価に修正し、資産合計から時価換算した負債合計を差し引いて企業価値を評価します。

上記の簿価純資産法とは異なり、市場での資産価値の変化を含めて評価をすることが出来ます。

そのため、こちらの手法がM&Aでは多用されます。

この手法は現在保有している資産と負債を基に算出するため、のれん代を加味しての評価をすることが出来ません。

そのため、のれん代を加味する他の算出方法と組み合わせて価値を算出します。

マーケットアプローチ法

マーケットアプローチとは、株式市場やM&A市場における取引価額を基準に算定する評価方法です。

恣意性が含まれない第三者的な視点から企業価値を評価することが出来ます。

計算方法は、「類似企業比較法」「類似取引比準法」の2つです。

類似企業比較法

類似企業比較法は、評価対象の企業に事業内容や企業規模、収益性という観点で類似した公開会社を複数選出した上で、類似企業の企業価値と財務上の数値を基に比較し、評価対象の企業の企業価値を算出します。

財務上の数値は売上高、EBITDA、EBIT等の複数の指標から選んで計算するのが一般的です。

類似取引比準法

類似取引比準法は、同一業界にて過去に行われた公開されているM&A事例から入手可能な譲渡価額や各財務指標を基に取引倍率を算出し、その取引倍率を基に価額を計算します。

世界的には多く利用をされていますが、日本の証券取引所では類似取引や基準になる倍率のデータベース化が進んでいないため、利用される機会は少ないです。

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割安株(バリュー株)を見つける流れ

割安株かどうか判断する方法が分かったら、次は割安株を見つける流れについて解説します。

各証券口座サイトには、スクリーニング機能があります。

今回は、その中の1つである、楽天証券を使って割安株を見つける流れを紹介します。

楽天証券は、他の証券口座と比べてスクリーニング機能が充実しているので条件を入力することで簡単に自分の条件に合った銘柄を抽出することが可能です。

下記の3ステップでスクリーニングの準備は完了です。

  1. 楽天証券にログイン
  2. 国内株式を選択
  3. スーパースクリーナを選択

バリュー株(割安株)の探し方・見つけ方を解説!スクリーニング方法・条件やおすすめのツールを紹介

どこの市場で購入するかを決める

市場と一言で言っても、東証1部・ジャスダックなどの様々な市場があります。

市場の中心となっているのは東証1部ですが、そのほかの市場にも割安株の企業はあります。

そのため、どの証券取引所の株式を購入するかを決めましょう。

各証券取引上所と市場は以下の通りです。

証券取引所 上場部
東京証券取引所(東証)  第1部
 第2部
 マザーズ(新興)
 JASDAQスタンダード
 JASDAQグロース
 Tokyo Pro Market
名古屋証券取引所(名証)  第1部
 第2部
 セントレックス(新興味)
札幌証券取引所(札証)  市場部
 アンビシャス(新興)
福岡証券取引所(福証)  市場部
 Q-Board(新興)

検索条件を追加する

検索条件を追加をクリックすると以下のような項目が出てきます。

  • 財務
  • コンセンサス情報
  • 銘柄属性
  • テクニカル

それぞれの項目に詳細な条件があるので、自分が調べたい条件をクリックするだけで追加することが出来ます。

また、変化率については、時期と割合の最小・最大を細かく設定することが可能です。

スクリーニング結果が出る

指定した市場で、条件に合った企業を一覧として出すことが可能です。

本来であれば、1つ1つ計算して条件に合っているかを確認しなければならないことを、証券口座のツールを使うことで簡単に確認できます。

割安株(バリュー株)を購入するメリット

割安株(バリュー株)を購入することの主なメリットには下記のようなものがあります。

  • 収益成長への可能性
  • 配当や株主優待目的の長期保有に有利

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収益成長への可能性

割安株(バリュー株)とは、本来の価値よりも低く評価されていて割安な状態で市場にだされている株のことを指します。

市場で低く評価されているものの成長ポテンシャルの高い企業や業績改善が期待される企業に多く見られ、将来的に株価が上昇する可能性を期待して購入されることが多いです。

このように成長性の高い企業を見つけて投資することで、将来的な収益成長につながるチャンスを得ることができます。

配当や株主優待目的の長期保有に有利

割安株は株価が安いため、配当や株主優待目的での長期保有がしやすいメリットがります。

本来の価値よりも低く評価されていて割安な状態で市場に出されているのが割安株の特徴。

高配や株主優待が目的ならば、本来よりも割安な価格で配当や株主優待を受けられるだけの株を購入することができます。

また投資家に対して配当金を出している会社は、企業内の収益構造がしっかりしている傾向にあります。

そのため、配当利回りが高い会社であることは企業の安全性を示す一つの指標とすることが出来るのです。

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割安株(バリュー株)を購入するデメリット

割安株(バリュー株)を購入することの主なデメリットには下記のようなものがあります。

  • 成長性の見極めが必要
  • 業績の不安定さ

成長性の見極めが必要

割安株の価格が低い理由の一つは、市場がその企業の成長に懐疑的な見方をしているからです。

本来の価格よりも低い価格で推移している理由は以下のようなものが考えられます。

  • 企業の規模が小さい
  • 企業の知名度が低い
  • 企業がマイナス評価を受ける報道がされた
  • 売り上げや利益に期待が出来ない

割安株を購入する方というのは、企業規模・知名度・マイナス評価等が改善され、本来の価値を発揮することで株価が上昇することを期待してのことです。

しかし、今後必ず株価がするという保証はないため、企業の成長性を見極めることが非常に重要です。

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業績の不安定さ

割安株の購入を検討する際は、業績の不安定さも考慮しなければなりません。

安く評価されている株は、業績の波が激しい場合があります。

また割安株は市場の関心が低い傾向にあり、他の成長株や人気株に比べて注目度が低いです。

そのため、需要と供給のバランスが崩れやすく、流動性の低下や価格変動のリスクが存在します。

こういった不安定さも考慮して、リスクマネジメントしていくことが重要となります。

割安株(バリュー株)のスクリーニングに役立つおすすめのツール

自分で計算をしたり、色々調べるのは大変ですよね。

そのため、誰でも簡単にスクリーニングをすることが出来るおすすめのツールを紹介します。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • FISCO
  • LINE証券

SBI証券

SBI証券 商標
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上記のスクリーニングの例でも利用した楽天証券ですが、近年注目を集めており2020年は新規株式口座の開設が証券会社の中で1位です。

多くの人が楽天証券で証券口座を開設しています。

楽天証券はスクリーニングの機能が充実しているだけでなく、投資をクレジットカード払いにすることで、ポイント付与をしてもらうことが出来るので人気を集めています。

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FISCO

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証券会社でない企業が運営をしているので中立の立場にたって運営されているサービスです。

他のスクリーニングツールにはない上場年付きなどの、珍しいスクリーニングをすることが出来ます。

LINE証券

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スクリーニング機能なども簡単にわかりやすく作られているので、株式投資を始めたばかりの方に最初に使うツールとしておすすめできます。

取引をしていなくても証券口座だけ解説をすればこの機能を使うことが出来るので、株式投資に興味がある人は口座だけ作ってみるのもいいです。

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スクリーニングを使って割安株(バリュー株)に投資しよう

割安株を上手に見つけるためには、今回紹介したスクリーニングの条件を守ることが大切です。

割安株を見つけることが出来れば、あなたの株式投資は成功です。

一時的には評価が下がることはありますが、中長期的な運用をすることで利益を獲得することが出来ます。

特に、初心者の人にはおすすめなので、株式投資を始めたばかりの人は実施してみてください。

株式投資初心者の方は、いきなり高額の投資をするにはリスクを伴いますね、少額からでも株式投資をすることは可能です。

少額投資のやり方はこちらを確認してください。

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