日産自動車は日本を代表している自動車メーカーで、年間550万台以上の販売台数を記録しています。
アライアンスをルノー・三菱自動車と形成して、2017年には販売台数が世界首位に踊りでています。
業績も好調の日産でしたが、2016年~2017年をピークに現在は低迷しており、株価も暴落しています。
高配当銘柄として有名でしたが、減配が発表されたのも下落要因の一つです。
日産の株価下落状況を見ていると「日産の株は購入しても大丈夫なの?」「日産の株価はどこまで下がるのか知りたい」と不安になる人もいますよね。
今回は日産の株価がどこまで下がるのか詳しく解説していきます。
買い時についても同時に紹介するので必見です。
これから日産の株を購入しようか検討している人は、参考にしてください。
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日産自動車の株価が下がった原因
業績・株価共に順調だった日産ですが、いくつかの原因が重なって株価がピーク時の1000円台から300円台にまで下落しました。
日産株価の下落原因
- 業績
- 減配
- 元会長の逮捕
日産はコロナウィルス感染拡大で、車の販売台数の減少に加え減配で下落が加速してしまったことが分かります。
業績悪化
日産自動車の2020年3月期の連結決済で6712億円の赤字を出しています。
前期の3191億円の黒字から一転して大きな赤字を叩き出したことから、株価も同時に大幅下落しました。
2020年3月期の連結決済は2000年3月期の赤字に迫る業績結果で、20年ぶりの大きな赤字となっています。
コロナウィルスの感染拡大による販売台数の減少だけでなく、構造革命費用・固定資産の減損損失なども収益にダメージを与えました。
コロナの影響によって世界全体の自動車需要が15~20%減少すると予想されており、日産の生産能力を2割減らすとも発表されています。
今後、工事閉鎖やリストラを断行していく意向を示しているので、2020年の業績悪化が危機的状況だったということが分かります。
配当金の減配
高配当で人気の銘柄でしたが、日産は業績悪化から2018年度の決算で減配する方針を発表しています。
2020年にも減配は確定しており、2018年の配当57円から大幅にダウンしています。
リーマン・ショック時の無配から順調に配当金を増加していた日産ですが、今回の業績悪化で配当金の減配を断行しています。
現在は配当がかなりダウンしてしまった為、高配当目的で投資できる銘柄ではなくなっています。
カルロス・ゴーン元会長の逮捕
引用元:日本経済新聞
日産の株価下落の大きなきっかけをつくったのは、カルロス・ゴーン元会長の逮捕報道です。
東京地検特捜部はルノー・日産自動車・三菱自動車の会長をしていたカルロス・ゴーン元会長を金融商品取引法違反の容疑で逮捕しています。
カルロス・ゴーン元会長の逮捕によって、経営の独立を強化したい日産自動車と筆頭株主であるルノーとの対立が激しくなり、株価にも影響しています。
カルロス・ゴーン会長は、日産の経営危機を救ったことで有名の人物で、日産自動車の経営陣も大混乱を引き起こしています。
投資家達は経営陣の混乱や会長の逮捕による影響を考えて、この時期に大量売却していることが分かります。
日産自動車の業績
日産の業績は下記の通りです。
引用元:NISSAN
日産の売上高はきれいな右下がりになっており、危機的な水準まで低迷していることがわかります。
日産はルノーとの対立が原因で業績悪化に拍車がかかったとされていますが、実際は対立前から業績悪化は始まっていました。
国内での車離れも業績悪化原因の一つですが、日産自動車が人気車を発売出来ていないのも大きな原因です。
2016年を境に営業利益が低下
日産の営業利益は2016年をピークに減少しています。
引用元:NISSAN
新型コロナウィルス感染拡大もあり、車の販売はかなり厳しい状況になっています。
更にカルロス・ゴーン元会長の逮捕やルノーとの対立も解決していないので、営業利益を回復する為に解決しなければいけない問題が山積み状態になっています。
世界経済が後退
元々自動車銘柄は景気に敏感な株として有名で、景気の動向によって株価が大きく変動します。
コロナショック以外にも、米中の対立問題や欧州経済指標の悪化などにも敏感に反応しています。
コロナの感染拡大前から、米中対立問題や欧州の経済不況もあって自動車業界が全体的に下落しています。
日産自動車の株価推移
日産の株価推移は下記の通りです。
引用元:Yahoo!フィアナンス
2018年末におきたカルロス・ゴーン元会長の逮捕から株価は緩やかに下落しており、コロナショックで一気に暴落しています。
2018年の初旬までは1000円台をキープしていた日産ですが、1000円台を下回ってから急速に下落していることがわかります。
コロナショックの影響で2020年2月の600円台から300円にまで下落しており、急落の速度を早めています。
日産自動車の配当実績
日産の配当実績は下記の通りです。
2009円の無配から2018年まで順調に配当を伸ばしていましたが、2019年から減配しており2021年も増配の目処は立っていません。
高配当銘柄で有名だった頃は、5%以上の配当利回りがありましたが、現在は高配当銘柄として機能していません。
配当金目的での投資は、現在の日産の配当率では厳しいでしょう。
2019年から減配
2019年の減配から始まって、2021年は0%となっています。
無配になったのはリーマン・ショック時以来はじめてで、業績・株価を見ても経営がかなり厳しい状況にあることが分かります。
株主優待は健在ですが、投資家がメインにしている配当や株価が低迷しているので、購入を考えるのは難しいでしょう。
日産自動車の株主優待
日産の株主優待は下記の通りです。
日産の株主優待内容 | |
100株以上 | 新車購入時特典(5000円分のギフトカード/5000円相当のカタログギフト) |
---|---|
備考 | 株主からの紹介者が購入した場合は、株主にはギフトカード、紹介者にはカタログギフトを贈呈 |
ギフトカードとカタログギフトで合計1万円の優待内容となっていますが、新車を購入する必要があるのでハードルが高い内容となっています。
2021年も株主優待制度は継続していますが、配当も減配になっているので、いつ廃止になってもおかしくない状態です。
難易度高めの条件なのでおすすめしない
日産の株主優待を目的に購入を検討している人はおすすめできない内容となっています。
保有株数は100株と他の企業と変わりませんが、株の購入以外にも新車の購入という難易度が高い内容が入っています。
株主優待で利回りを良くしたいと考えている人は、高配当+優良株主優待の銘柄を選びましょう。
日産自動車の株の買い時
現在の日産の状況をまとめると下記の通りになります。
日産の状況
- 業績悪化が止まらない
- 米中対立で株価に影響が出る
- コロナウィルスの影響で販売台数が激減
コロナの感染拡大や米中対立の影響もあり、今後も業績を回復する目処は立っていません。
自動車株ということもあり、世界的景気の悪さも影響して上昇するのは厳しい現状です。
一方で、日産は長期的に見ると回復していく可能性があると考えているアナリストもいます。
日産は赤字決算と同時に事業構造革命計画も発表しており、革命計画通り動いていけば再び株価が伸びる可能性があります。
しばらく上昇する気配はない
上昇を予想しているアナリストもいますが、業績・配当金を見る限り、上がる要素は見出だせていません。
事業構造革命計画次第で押し目買いをしてくれる投資家が居る可能性もありますが、現状業績がかなり落ちているので相場参入が難しいです。
日産自動車の株価低迷は今後も続く見通し
日産の株価暴落の原因は、業績悪化・元会長の逮捕・コロナショックです。
どれもタイミング悪く重なって日産はかなり厳しい状況にあります。
日産の株価下落を見て購入を検討している人は、今後日産が進める事業構造革命計画がスムーズに進むのかしっかり判断する必要があります。
コロナ終息の目処も付いていいない状態なので、日産の株を買おうと思っている人は、経営状況を見て慎重に購入してください。