この記事では、権利確定日についてと、配当や株主優待との関係をわかりやすく解説していきます。
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権利確定日とは
では、権利確定日について、詳しくご説明していきます。
権利確定日とは、簡単に言えば企業の決算日です。
詳細な日時については、企業によって様々ですが、この権利確定日に株主でいることで、株主優待や配当を受け取ることができます。
権利確定日…企業の決算日。細かい日時は企業によって異なる。この日に株主であれば株主優待を受けることができる
株主とは
ちなみに、株主とは何か皆さん理解できていますか?
株主…企業の株を持っている人のこと。株主は会社のオーナー
つまり、権利確定日にその企業の株を保有していれば、配当や株主優待を受け取ることができるのです。
権利確定日は配当・株主優待をもらう際に重要
権利確定日重要になってがくるのは、「配当」と「株主優待」を受け取りたいときです。
株式投資には、主に以下の3通りの稼ぎ方があります。
- 値上がり益…「安く買った株を高く売る」ことで、差額が利益となる方法
- 配当益…株主に対し、会社の利益の一部を還元することで得られる利益
- 株主優待…自社の商品や割引券という形で株主に利益を還元する方法
このうち、配当益と株主優待を受け取るために、権利確定日が重要になってきます。
なぜなら、配当と株主優待を受け取るには権利確定日に株主でいる必要があるからです。
権利確定日に株主でいることが条件
ここまで読んでいただいた方の中には「じゃあ権利確定日に株を買えばいいのか」と思われた方もいらっしゃることでしょう。
しかし、権利確定日に株を買っても配当金を受け取ることはできません。
なぜなら、株主として株主名簿に名前が登録されるには、権利確定日の3営業日前までに株を買わなければならないためです。
この権利確定日の3営業日前の日のことを権利付き最終日といい、権利付き最終日の翌日を権利落ち日と言います。
- 権利付き最終日…権利確定日の3営業日前。この日に株主でいることで、権利確定日に株主名簿に名前が記載される。つまり、配当金と株主優待を受け取るためには、権利付き最終日に株主でいることが必須
- 権利落ち日…権利付き最終日の翌日。この日に株主になっても配当金や株主優待を受け取ることはできない
つまり、権利確定日に株主でいるには、3営業日前の権利付き最終日までに株を買う必要があるということです。
権利付き最終日に向けて株価は上昇する
ここで、1点注意してほしいことがあります。
権利付き最終日に向けて株価は上昇するということです。
なぜなら、配当や株主優待を得るために、多くの投資家が権利付き最終日を目指して株を買うからです。
反対に、権利付き最終日の翌日は配当金や株主優待目当ての投資家が株を売ってしまうため、株価は下落します。
本当に配当や株主優待の内容が魅力的だと思うなら、株価の動きを気にせずに売買するのも一つの投資手法です。
しかし、値上がり益がメインで配当益や株主投資をおまけと考えるなら、権利付き最終日直前に株を買うのは損をすることになるので避けることをおすすめします。
権利確定日と配当の関係
では、ここからは権利確定日が関係するものをご紹介していきます。
権利確定日が関係するもの1つ目は、配当です。
配当とはどのようなものか、またどのように権利確定日と関係するのか、詳しくご説明していきます。
配当とは
配当…会社が稼いだ利益の中から、株主が直接受け取れる分け前のこと
配当は、株式投資の稼ぎ方の一つです。
ある会社の株主になれば、利益のなかから直接お金を受け取ることができます。
配当は、株式投資の主な稼ぎ方である「値上がり益」に比べれば低い利益率ですが、比較的着実に利益を得られる方法です。
ただし、1点注意しておくべきことあります。
それは、すべての企業が配当を出すわけではないことです。
例えば、業績が悪い企業は利益に余裕がないため、配当金を出すことはありません。
また、ベンチャー企業はたとえ利益が出ても新規事業の資金に回すことが多いため、配当金を出さないところが多いです。
配当金を受け取りたいなら、投資する企業が利益の上がる事業をしているのか、また配当を実施しているのかを事前に確認することが大切なのです。
配当利回りとは
先ほど、配当は値上がり益に比べたら得られる利益は少ないと申し上げましたが、具体的にいくら程度もらうことができるのでしょうか。
配当金の金額は企業によって異なりますが、企業の配当金がいくら程度なのかは、ある方法で判断することができます。
「配当利回り」をチェックすることです。
配当利回り…購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値
つまり、配当利回りが分かれば大体いくら程度の配当金を手に入れることができるのかある程度予測をつけることができます。
では、具体的にどのように配当利回りは求められるのでしょうか。
以下の式に当てはめて計算すればよいのです。意外と簡単ですよね。
配当利回り(%)=1株当たりの配当金÷現在の株価
例えば、以下のような2つの企業の株があったとします。
会社名 | A社 | B社 |
1株あたりの株価 | 1000円 | 500円 |
1株あたりの配当金 | 10円 | 10円 |
上記のどちらがお得に感じますか?
1株あたりの配当金が同じですから、株価が安いがゆえに投資額が低くなるB社ですよね。
これが配当利回りです。
それぞれの配当利回りを求めると以下のようになります。
A社 1株あたりの配当金10円÷株価1000円=配当利回り1%
B社 1株あたりの配当金10円÷株価500円=配当利回り2%
つまり、配当利回りが高ければ高いほどもらえる配当金は高くなりお得であるということです。
ちなみに、日本の平均配当利回りは約2%なので、投資したい企業の配当金利回りを見る際には2%を基準に高いか低いかを判断してください。
権利付き最終日とは
前述したとおり、配当金を受け取るための条件は、権利確定日に株主でいることです。
しかし、権利確定日に株主でいるには、権利確定日の3営業日前の権利付き最終日に株主であることが必須条件です。
「じゃあ権利確定日に株を買えばいいのか」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、権利確定日に株を買っても配当金を受け取ることができません。
以下の表にまとめましたので、ぜひご覧ください。
2月1日 | 4営業日前 | |
2月2日 | 3営業日前 | 権利付き最終日 この日に株主であれば配当を受け取れる |
2月3日 | 2営業日前 | 権利落ち日 この日に株主になっても配当は受け取れない |
2月4日 | 1営業日前 | |
2月5日 | 権利確定日 | |
2月6日 |
つまり、権利付き最終日に買って権利落ち日に売れば、株を1日しか保有してなくても配当金がもらえるのです。
しかし、前述したように、権利付き最終日に向かって株価は上昇します。
もし配当金目当てで株を買うなら、権利付き最終日の数週間前までに買っておくのがおすすめです。
無事に配当をもらう権利を得たら、確定日から2ヶ月くらいで税引きされた金額の配当金を受け取れます。
権利確定日と株主優待の関係
権利確定日が関係するもの2つ目は、株主優待です。
詳しくご説明していきます。
株主優待とは
株主優待…株を持っている人(=株主)に対し、会社の利益を還元する制度の一つ。自社の製品や割引券など、特徴は企業によって様々
簡単に言うと、株主優待とは企業からのプレゼントです。株式投資における稼ぎ方の一つでもあります。
株式投資において最も利益率が大きいのは値上がり益なため、株主優待でそこまで利益は期待できないのでは?と思われるかもしれません。
しかし、現金に換算するとかなり高利回りの銘柄もあります。
配当に株主優待を加えた実質配当利回りが5%超える銘柄も多いです。
普通に銀行で預けたとして、利回りが5%と高くなるのはあり得ないですよね。
つまり、値上がり益関係なく配当と株主優待だけでも十分お得になるのです!
株主優待でもらえるもの
では、具体的に株主優待ではどのようなものがもらえるのでしょうか?
主に以下の3種類からもらえる企業が多いです。
- 食品
- 金券・チケット
- 自社製品
食品は、やはり一番人気です。
例えば、吉野家HDでは3000円相当の優待券を年2回受け取ることができます。
もし好きな飲食店や製品があったら、それらを提供している企業を探してみるのも良い方法です。
また、金券やチケットは株主優待の中でも最も普遍的に利用できます。
せっかく株主優待をもらっても活用できなければ意味がありません。
金券やチケットであれば、活用できる場面が多いので非常におすすめです。
最後に、自社製品がもらえる株主優待もあります。
例えば、化粧品会社のファンケルでは、3000円相当の自社製品、または「ファンケル銀座スクエア」利用券を受け取ることができます。
特に女性は好きな洋服や化粧品のブランドがある方も多いのではないでしょうか。
ぜひ好きなブランドを提供している企業の優待特典を調べてみてください!
株主優待受け取りのポイント
では株主優待を受け取るにはどうしたらよいのでしょうか。
答えは、配当と同様権利確定日に株主でいることです。
つまり、権利確定日の3営業日前の権利付き最終日に株主であることが必須になります。
権利確定日が土・日・祝日に重なった場合は、実質的な確定日が前日に繰り上がるため注意してください。
権利確定日は企業の決算日
権利確定日とは企業の決算日の事です。
この日に株主であれば株主優待を受けることができます。
細かい日時は企業によって異なるため、優待が目的の場合はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。