このページを見ている方々はDMMの株価について知りたいと考えている事でしょう。
しかし、合同会社DMM.comは非上場企業のため株価というものが存在しません。
この記事の前半では、DMMがなぜ上場していないのかと今後の上場可能性について解説しています。
後半では、大企業が上場しない事で得られるメリットと、実は上場していない大企業を紹介しておきますので、参考にしてください。
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株価とは株式市場で実際に約定があった価格のこと
株価とは、株式市場において実際に取引が約定した1株あたりの価格です。
一方、売り手や買い手が一方的に価格を提示しただけで実際に取引が約定していない価格を気配値といいます。
株価は企業ごとに値段が大きく異なり、1株数百円の企業もあれば数千円という高値で取引される企業もあるため一概にいくらとは言えません。
ただし、日本企業の株式はすべて100株単位での取引になるので実際購入する際は株価の差額は下図のように取引数に応じて大きくなります。
dmmは上場していないため株価が存在しない
合同会社DMM.comは上場していないため、株価というものが存在しません。
そもそも株価は、投資家が上場企業の株式を取引した際に決定される価格なので、上場していないDMMには株価が存在するはずがないというわけです。
上場していないため株主優待もない
DMMは株式を発行していないため、当然のことながら株主優待も存在しません。
株主優待とは、上場企業の株式を保有している人が商品券などを受け取ることができる優待制度のことなので、DMMのように上場していない企業には株価ないしは株主優待という概念が存在しないというわけです。
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亀山会長へのインタビューから分かるdmmが上場しない理由
合同会社DMM.comはなぜ上場しないのでしょうか?
ここではDMMの会長である亀山氏へのインタビューをもとに見えてきた、DMMが上場しない3つの理由について紐解いていきます。
それぞれの理由について解説していきますので是非参考にしてください。
株主を付けず長期的な視点で経営をしたい
インタビューから亀山氏は長期的な目線での経営をしていきたいと考えていることが分かりました。
しかし、なぜ上場することが長期的な目線での経営を妨げるのでしょうか?
株主は基本的に利益を得るために株式を保有しますので、多数の株式を株主に保有された企業は赤字覚悟の事業投資などといったチャレンジングな行動ができなくなります。
そうなれば、目先の利益を中心とした事業展開が中心になり、長期的な目線での経営が難しくなるというわけです。
亀山氏は今後も長期的な目線での経営をしていくために、上場ないしは株式発行を避けていると言えます。
上場すると法的開示と適時開示が必要になる
亀山氏は法的開示と適時開示で必要のない情報までも一般に公開されることを避けたいと考えています。
証券市場では、投資家達がどの企業に投資するのかを判断するために必要な情報を法的開示と適時開示の規定に沿って公開することが必要です。
この開示項目の中には亀山氏にとって開示する必要がないと判断される情報も含まれているという事になります。
今後もdmmが上場しない3つの理由
現在、DMMが上場していないことはわかっていただけたかと思いますが、今後上場する見込みはあるのでしょうか。
ここでは、今後DMM が上場する可能性が低い理由を解説しますので参考にしてください。
アダルトイメージが強いため上場できない可能性がある
元々、DMMはアダルトビデオの販売で急成長した企業なので、企業イメージがあまりよくありません。
日本の企業が株式に上場するには日本証券取引所の審査に通過しなければならず、公序良俗に違反する事業内容の場合は通過できない可能性が高いのです。
そのため、アダルト系のイメージが抜けていないDMM は審査に通過できる見込みが低く上場できる可能性が低いと判断できます。
株式会社でなく合同会社であるため上場できない
日本で起業する場合、会社の形態は株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4つから選ばなければなりません。
このうち、DMM は合同会社という上場することができない会社形態を選んでいるので元々上場するつもりがないと考えられます。
今後、DMM が会社の形態を株式会社に変更した場合は上場を考えている可能性がりますので、投資家の方は会社の形態に注意しておいた方が良いでしょう。
元々上場する気がないため今後もしない
DMMは元々上場する気がないため今後も上場する可能性は低いです。
40以上の事業を展開しているDMMは多額の資金を必要としていますが、この資金を自前でやりくりしている事から株式発行により資金調達するつもりはない事がうかがえます。
これだけの新規事業を展開してきたにもかかわらず自前でやってきたという事は、今後も上場せず会社の資金だけで経営していく可能性が高いです。
一般的に非上場の会社が得られるメリット5点
ここまで、DMMが上場していない理由と今後の展望について予想を交えて解説してきましたが、DMM以外にも上場していない大企業は存在します。
ここでは、企業が上場しない事で得られるであろうメリットについて解説します。
【メリット①】株主の目がないため自由でスムーズな経営ができる
上場すると会社に株主が付き、新しい事業を起こしたい時などに賛同を得る必要性が出てきますので、経営者の判断でスムーズに事業を展開していくことができません。
一方、上場していない企業であれば資金は自社でやりくりしているので経営方針は経営者の独断で決めることができ、よりスムーズで自由な経営ができるというわけです。
【メリット②】株主がいないので敵対的買収のリスクがない
敵対的買収とは、買収される企業の経営陣や株主の合意を得ることなく株式公開買付を実施することをいい、半ば強引に企業を買収するため経営者にはネガティブなイメージを持たれやすいです。
また、売り手から何らかの防御策を講じられることがあるため敵対的買収は成功率が低いと言われており、経営者にとっては十分なリスクになります。
上場して株式を発行しなければ、敵対的買収のリスクがなくなり経営者にとっては安心というわけです。
配当金がないため経営者が利益を全て享受できる
株式を発行すると業績に応じて株式を保有している株主に対しての配当を支払わなければならないため、おのずと手元に残る金額が減ってしまいます。
一方、上場せず自社の資金だけで経営していれば、利益はすべて会社のものになり経営者が自分の享受する金額をコントロールすることも可能です。
お金を稼ぐことが目的の経営者にとっては上場して配当を支払うことはデメリットと言えるでしょう。
上場に必要なコストや資料作成の手間を省ける
案件によっても異なりますが、上場する際には監査法人や証券会社に年間5,000万円程の費用を支払う必要があります。
また、審査に必要な書類の作成にも膨大な時間がかかるため、上場しなければ費用と手間を省くことが可能です。
実は上場していない国内大企業を紹介
先ほど解説したように上場には様々なメリットがありますが、それでもDMMのように上場せず経営している大企業を紹介します。
竹中工務店
引用:竹中工務店
大手ゼネコン5社の一つとして有名な竹中工務店ですが、手元資金が潤沢であり財務内容も良好なため市場から資金調達する必要がないことが非上場の要因であると考えられます。
社名 | 株式会社竹中工務店 |
---|---|
設立年月 | 1909年5月 |
売上高 | 1兆2,604億円(2021年度連結) |
従業員数 | 7,757人 |
事業内容 | 建設業 |
YKK
引用:YKK
YKKはスライドファスナーの生産で世界シェア45%を誇る大企業です。
上場していないないので一般的に株式を購入することはできませんが、株主コミュニティというサービスを通じて店頭有価証券(地場株)を売買することができます。
社名 | YKK株式会社 |
---|---|
設立年月 | 1945年8月 |
売上高 | 7,970億円 |
従業員数 | 44,410名 |
事業内容 | ファスニング、建材等の製造販売 |
佐川急便
引用:佐川急便
佐川急便は京都に本社を置き宅配事業を手掛ける有名企業です。
親会社であるSGホールディングスは2017年6月に東京証券取引所に上場しており、現在の株価は2,130円(2022年11月30日現在)になっています。
社名 | 佐川急便株式会社 |
---|---|
設立年月 | 1965年11月 |
売上高 | 1兆1,666億 |
従業員数 | 56,206人 |
事業内容 | 運送事業 |
ジェイティービー
引用:JTB
旅行で有名なジェイティービーは就職人気ランキングで必ず上位にランクインするほどの大企業でしたが、新型コロナウイルスの影響で資本金を23億400万円から1億円に減資したことが話題となっています。
社名 | 株式会社ジェーティービー |
---|---|
設立年月 | 1963年11月 |
売上高 | 5,823億 |
従業員数 | 19,510名 |
事業内容 | 旅行、出版 |
ロッテ
引用:ロッテ
ロッテは東京都に本社を置く大手菓子メーカーですが、上場に関する様々なデメリットから非上場であることを選んでいるようです。
上場する事の主なデメリットは下記の通りです。
- 株主の意見を取り入れないければならないため、自由に経営できない
- 公開したくない上場があっても、財務状況をを一般に開示する必要がある
- 他者に買収されてしまう可能性が生まれる
社名 | 株式会社ロッテ |
---|---|
設立年月 | 1948年6月 |
売上高 | 2,395億円 |
従業員数 | 7,356名 |
事業内容 | 菓子食品の製造販売 |
小学館
引用:小学館
小学館が上場していない理由には同族支配経営である事と、少子高齢化による収益の低下が考えられます。
小学館は子供向けの書籍などを提供している会社なので少子高齢化の影響は少なからず非上場であることに影響しているはずです。
社名 | 株式会社小学館 |
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設立年月 | 1922年8月 |
売上高 | 1,057億 |
従業員数 | 701名 |
事業内容 | 出版 |
朝日新聞社
引用:朝日新聞デジタル
ここでは朝日新聞を取り上げていますが、朝日新聞のほかにも日本にある新聞社はすべて上場していません。
理由は、昭和26年に制定された日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律によって株式の譲渡が制限されているためです。
社名 | 株式会社朝日新聞 |
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設立年月 | 1879年1月 |
売上高 | 2,724億 |
従業員数 | 4,188人 |
事業内容 | 朝日新聞の発行 |
LINE
引用:LINE
LINEは言わずと知れたSNSサービスを提供する会社ですが、実は非上場会社の一つです。
LINEは一時上場する事になっていましたが、2020年12月29日にZホールディングスとの統合を理由に上場を撤廃しました。
社名 | LINE株式会社 |
---|---|
設立年月 | 2019年12月 |
売上高 | 3943億円 |
従業員数 | 3,100名 |
事業内容 | メッセンジャープラットフォーム |
dmmのように上場していない大企業は数多く存在する
この記事では主に前半でDMMが上場していない理由を解説し、後半ではDMMのように上場していない大企業を紹介しました。
上場にはメリットがある反面デメリットとなりうる部分もあり、実際に上場するかは経営者の判断によります。
DMMのように上場していない大企業はこの記事で紹介した以外にも数多くありますので気になる方は調べてみてください。
また、上場していない企業には株式がなく当然のことながら株価も存在しないという事も頭に入れておきましょう。