中国株は米国株同様、注目されている外国株式で中国の長期的成長を見込んだ投資家達から人気があります。
しかし2021年は政府の規制強化や大手不動産会社のデフォルト危機など、ネガティブ要素が露出した為「中国株は危ないんじゃないか?」と懸念を抱く人も増加しました。
そこで今回は、2021年の中国株変動を見て2022年の見通しを解説します。
2021年はネガティブな要素が多く盛り込まれたように見えますが、実際はポジティブ要素も多くあった年なので慎重に見極める必要があります。
今後中国株への投資を検討している人は参考にしてください。
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2021年の中国株式市場の動向
2021年の中国株の動向を見るために、中国株の株価指数「上海総合指数」を参考にしてます。
「上海総合指数」の年間チャート動向をみると、上半期に急上昇した後に暴落して横ばいの状態が続いていることがわかります。
2020年の水準から1つ上のレンジ帯に上がったとは言え、年間単位で見ると2021年は大きなレンジ相場だったことがわかります。
年明けは景気のV字回復で上昇
上記のチャートは2020年の上海総合指数で、コロナショックが起きた2月~4月は暴落と低迷が続いていますが、中国はコロナ感染拡大を早期解決した為、経済回復と平行して株価指数も急上昇しています。
中国株式市場は、2020年のV字回復などの影響から2021年1~2月頃も高騰を続けています。
上海総合指数だけでなく、IT・ハイテク株を多く取り扱っているMSCIチャイナ指数は過熱気味になるレベルで上昇しました。
2021年の年明けは特に、コロナショックからの景気回復が引き続き市場に影響し、高騰したことがわかります。
中国当局のバブル警戒で調整
中国当局は2021年年明けの中国株式市場をみて、バブルを警戒し規制強化に動きます。
株式市場への経営支援金の不正流入を調査したり、インターネット関連の業界に規制強化へ方針転換したり、香港政府が株式取引にかかる印紙税を引き上げたりしました。
上記の動きは「中国やばい!」と投資家達が危機感を覚える材料となり、一時的に中国株市場は全体的に調整が入ります。
下落後は、中国当局の規制などの見方が見直され始め市場は全体的に安定していきます。
特にインターネット企業関連への規制は、中国当局が企業活動を制限しようとしたわけでは無く、消費者に不利益が生じる金融システムの不安定化を回避することが狙いと解釈し、中長期的にみるとポジティブ要素になる認識が広がりました。
中国恒大集団のデフォルト危機で一時的株価が暴落
2021年の年明けの動きから、一旦落ち着いた後は堅調に動いていますが、中国恒大集団の影響によって株価が大きく暴落しています。
中国恒大集団は大手不動産会社で中国で第2位の大企業です。
しかし中国当局による規制強化によって資金調達が難しくなり、2021年の秋頃デフォルト危機に陥ります。
中国恒大集団のデフォルト危機は、市場にも大きく影響し10月頃の一時的な暴落は中国恒大集団が大きく影響しています。
この大手不動産会社がデフォルト危機に陥ってしまった要因として「規制強化」が挙げられており、今後も中国市場は政府の規制強化・緩和による影響を受ける可能性があります。
中国株の今後の見通し
中国株の今後の見通しを2021年の動向から予想します。
中国は政府の規制が厳しく、今後もネガティブ要素が増え続け株価が下落するのではないか懸念している投資家もいます。
しかし中長期的に見ると中国企業は依然成長を続けており、特にITやハイテク関連の株は大きな期待が見込めます。
これから現在の中国経済状況や、他国との関係性を元に中国株の今後の見通しを解説します。
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米中のGDP逆転の期待から長期的に見て成長する予測
中国経済は2020年のコロナショックから景気回復を早期実現した国で、2022年以降も相対的に高い経済成長率が予想できます。
日英の調査機関は、2028年のGDPは米中のGDPは逆転する見通しを発表しており、中長期的に見ると中国株の上昇は期待できる見込みです。
IMFの購買力平価ベースの統計は2017年時点で米中逆転が起きている為、中国の金融市場は投資家達からも無視できない存在になっています。
ただしこれは中長期的に見た見通しの為、今後大きな政策変更や災害等発生すれば流れが変わる可能性もあります。
中国株式市場に海外からの資金流入は増加中
中国株式市場は、海外からの資金や個人マネーの流入が増加しており、金融面で中国と海外の関係を見ると強まっていることがわかります。
代表的なグローバル株価指数も、中国株のウエイトが引き上げられる見通しと発表されており、海外からの資金流入が後押しされています。
2021年は大きなレンジ幅で乱高下していた中国市場ですが、2022年に向けて堅調に推移していく可能性が高いです。
恒大集団の債務不履行は一時的に影響
中国恒大集団のデフォルト危機は、一時的に株式市場全体に影響を与えていました。
しかし動きは一時的なものであり、前回の「リーマンショック」のような動きはありませんでした。
今後中国当局の規制強化によって一時的に暴落・高騰は起こる可能性がありますが、今の中国経済状況だと、一時的な動きで終わる可能性が高いです。
中国株のおすすめ銘柄
中国株の全体的な今後の見通しを説明しましたが「具体的にどの銘柄を買えばいいの?」と疑問に思う人もいますよね。
今回は、中国株のおすすめ銘柄を紹介します。
「中国株に投資したいけど銘柄が選びに困っている」という人は参考にしてください。
チャイナ・タワー(00788)
チャイナー・タワーはチャイナモバイル・チャイナユニコム・チャイナテレコミが共同出資して設立した企業で、中国の基地局を実質的に独占している為、売上・営業利益ともに安定して成長しています。
チャイナ・タワーは中国が国策で進めている5Gの基地局を約100万ヶ所保有している情報もあり、今後も株価が堅調に推移する可能性が高いです。
中国は、5G基地局のインフラ整備を加速する見通しで、チャイナ・タワーは今後成長する期待が持てます。
バンク・オブ・チャイナ(03988)
バンク・オブ・チャイナは中国第三位の商業銀行で、2016年には総資産額が世界5位にランクインしています。
日本にも東京都や横浜市・大阪市・名古屋市・神戸市に支店があります。
中国四大商業銀行とされており、株式市場では高配当株として人気があります。
2021年12月時点での予想配当利回りは8.60%と高く、インカムゲインを狙って投資できます。
バンク・オブ・チャイナは安定事業である為、コロナショックなどの予想外の自体でも大きな影響が無く、投資家達が再度注目している銘柄の1つです。
中国人寿保険(02628)
中国人寿保険は中国の大手生命保険会社で、最大規模クラスの機関投資家です。
財政部が過半数の株式を保有しており、業績成長が著しい企業の1つです。
2021年1月~3月期業績は67%増益を発表しており、コロナ禍での反動で保険料収入が増えたことや投資収入が大きく伸びたことが要因になっています。
中国人寿保険は保険会社なので、収益構造が特殊で「購入するのが難しい」と感じる投資家も居ます。
しかし中国人寿保険は保険会社の中でも成長性が著しく総合的に安定して伸びていく可能性が高いのでおすすめです。
中国株を購入する時の注意点
魅力的な中国株ですが、購入する時に注意する点がいくつかあります。
中国株を購入する時の注意点
- 中国当局の動向での変動
- 企業の情報収集方法
- 外国株投資特有のリスク
これから注意点を詳しく説明するので、中国株に投資する前に把握しておきましょう。
中国当局の動向で株価が暴落・暴騰する
2021年に中国当局が規制を強化したことによって株価が暴落した時期がありました。
上記のように中国は共産党による一党体制で運営されている為、政府が民間企業に介入することがあります。
中国の株式市場は、中国当局の動きによって株価が大きく変動するリスクを持っている為、中国政府の経済政策をチェックする必要があります。
また米国の経済政策にも注目することも重要で、世界経済に目を向けてリスク回避を心がけましょう。
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中国企業の情報を収集しにくい
中国企業は海外企業である為、国内企業の情報収集より収集しにくい欠点があります。
ネットの普及によって昔より情報を収集できる状態になった現在でも、企業単位の情報収集となると中国語・英語表記になって読めない問題などがあります。
また、企業サービスのチェックや製品の品質を確かめる行為が国内企業より難しくなってしまうので、少ない情報を頼りに投資する必要があります。
中国株を取り扱っている証券会社は公式サイトにて情報を出している所があるので、細かくチェックしてリスクを最小限におさえましょう。
外国株への投資リスクがある
中国株への投資は外国株投資特有のリスクもあります。
中国株投資は、人民元での取引だけでなく米ドル・香港ドルでの取引も行われます。
上記のことから為替市場での変動によって利益が変動してしまうケースもあり、注意しなければなりません。
また株式の仕組みは国の法律や制度によって定められている為、中国株式市場特有の制度がある事を把握しておきましょう。
具体的な例を出すと、国内では一定期間の猶予が与えられて上場廃止が決定しますが、中国株式市場では突然上場廃止になります。
国内株式投資では感じられなかった、予想外のリスクを背負うことになるので、事前に確認して、予想外の損失を出さないようにしましょう。
中国株投資におすすめのネット証券
中国株式投資におすすめのネット証券をまとめました。
ネット証券では中国株を豊富に取り扱っていたり、取引手数料が安くなっていたりするのでおすすめです。
各ネット証券会社の特徴を見て、最適なネット証券を選びましょう。
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SBI証券
SBI証券は中国株だけでなく、ロシア株・米国株・韓国株・アセアン株等を取り扱っており、世界の株式に投資することができます。
中国株では香港証券取引所に上場している銘柄700種類を取り扱っており、取引手数料も約定金額×0.26%とおさられている為、コストを抑えて運用できます。
香港府ドルによる外貨決済と日本円での円貨決済に対応している為、投資家の投資スタイルに合わせた対応が可能です。
総合的に評価が高く、口座開設者数も業界トップクラスなのでおすすめです。
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楽天証券
楽天証券は、上海証券取引所A株市場の銘柄を230種類取り扱っている所が魅力的なネット証券です。
日本円でそのまま中国株に注文できるサービスも手軽さがあり、NISA口座で中国株取引も可能なので税金対策して運用できます。
また楽天証券は、楽天ポイントバックサービスがあるので取引手数料の1%をポイントで還元されます。
手軽さとお得さ両方兼ね備えているネット証券で、楽天ユーザーはお得になるのでおすすめです。
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中国株は今後も上昇を期待できる投資対象
2021年の中国株は、規制強化や大手不動産会社のデフォルト危機などで株価が一時的に乱高下した1年でした。
しかし長期的に見ると高い成長率を見込める為、中国株に興味がある人は購入を検討してみてください。
また、購入する際は中国株投資で発生するリスクも確認しておきましょう。
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